世界的にも深刻な情報格差
  「デジタルデバイド」とは

 

デジタルデバイドのない世界は実現する? しない?

「インターネットの活用能力の格差」が国際的な問題になっています。利用者の年齢や地域にもよりますが、自分が望む質のよい情報収集ができているのか、到達できるアクセススピードは十分か……等々、情報探索の正確さにおいても差が生じているようです。

この「デジタルデバイド」は、どんな問題があるのでしょうか。

 

スマートフォンVSパソコン―PC回帰なるか

 

本はスマホ天国――PC離れはどこまで進む!?


「スマホ・ネイティブ」というフレーズを聞いたことがありますか?

インターネットに最初に触れたツールがスマートフォン(スマホ)だった人たちのことです。「スマホ・ネイティブ」がなぜデジタルデバイドとして問題になっているのか――。

その前に、デジタルデバイドとは何か、簡単にいうと「情報格差」のことです。インターネットなどの「情報通信技術」を使える人と使えない人との間に生じる格差のこと。繰り返しになりますが、年齢的、地域的、さらには国際的にも問題になっています。年齢的な情報格差といえば、シニアの方々が若者に比べて情報収集能力に劣るという状況が確かにあります。パソコン(PC)がない、あっても使えないという問題です。

それとは別次元の、若者が直面するデジタルデバイドとは?

大学の新入学生から「ダブルクリックって何ですか」「セルって何ですか」という質問が多い(朝日新聞:2018/2/28)という報道もあるくらい、若者のPC離れは進んでいるようです。スマホが便利すぎて、PCに触ったことがない学生が増えているためだとか。スマホでWordもExcelもダウンロードできるため、レポートをスマホでつくる人もいるようです。画面が小さいから、そんなのムリでしょ? と思うのは「スマホ・ネイティブ」ではない人かもしれません。

スマホが登場した頃のサービスは、「動画、音楽、ゲーム、辞書」などPC上にもあるシンプルなものでした。2010年以降は「お財布ケータイ、IC乗車券、フリマアプリ AR&VR」などPCにはない革新的なサービスが次々と登場。「小型で軽量、いつも一緒」となれば、若者たちがスマホ信者になるのは当然という気もします。

「楽しい、役立つ」がいっぱいのスマホのアプリ

 

本人1人当たりのアプリ所持数は平均100


ここで「スマホ・ネイティブ」に起きている“デジタルデバイド”とは? ですが、便利にな  った情報通信技術を自分の身体の一部のように自由自在に利用できる人もいれば、さまざまなアプリを使いこなせずにいる人もいます。これが一つ目の「デジタルデバイド」です。日本人1人当たりのアプリ所持数は平均100本以上で、これは世界一(アップアーニー調べ)とのことですから、宝の持ち腐れになっていても致し方ないのかもしれません。

ITの登場で情報の収集方法が飛躍的に変化しました。個人のネット利用が爆発的に広がったのが1995年。インターネット接続機能を搭載した「Windows95」が発売されたからです。それ以前の情報収集は、「新聞、本、テレビやラジオ」等で、多くの人がほぼ共通の媒体から入手し、ある意味、情報格差はなかったといえるでしょう。

ところが1995年以降、新聞やテレビなどアナログのメディアから、ITを駆使したデジタルのオンラインメディアへの移行が急速に進みました。それにともない情報量が多すぎたりフェイクニュースが混在したりする問題を抱えながらも、ITとは無縁だった世代の情報収集経験者にとって「ITさまさま」は否めないところです。

PCに関しては「接続できるか/できないか」「利用できるか/できないか」というテクニックの問題もありますが、それ以上に重要なのが情報を使いこなす能力や知識、つまり情報リテラシーの「あり/なし」です。デジタルデバイド問題がここでも起きているのです。

総務省がまとめた2018年の情報通信白書によると、世界人口72億人のうちインターネットを使う人が40%で使わない人が60%とのこと。また日本の世代別のネット利用率は、13~49歳で97~99%に達するのに対し、70代以降は50%を下回っているとか。デジタルな情報にアクセスできないことは、それがすべてではないとしても、「教育的、社会的、経済的な格差」を生む一因になっています。これもデジタルデバイドです。

日本の若者の主たる情報収集ツールはスマホですが、海外ではスマホよりPCに接する時間が増えていて、とりわけ10代の若者が増加しているとのこと。これは日本のPCメーカーが新製品発表会で紹介した数字なので話半分に聞いておいたほうがいいのかもしれません。アメリカ、中国、ドイツのZ世代はミレニアル世代に比べ、スマホよりPC優位傾向のようです。情報の収集・発信なら、大画面のほうに軍配が上がることに気づいたのではないでしょうか。スマホよりPCのほうが速く、欲しい情報にたどり着けることは間違いのない事実です。

さらに複数のアプリケーションを連動させることも複数のメンバーでの共同作業も、スマホよりPCのほうが楽に作業がこなせます。

また「私はスマホ」「僕はタブレット」「彼はPC」という時代から「スマホもタブレットもPCも」の時代へ。各々ひとつのツールにすべてを任せるのではなく、いくつかの相棒をTPOで使いこなす――そんな時代がすでに到来しているのです。

最後にもうひとつ、いま世の中は新型コロナウイルスが猛威をふるい、勤め人はテレワーク、そして学生・生徒はオンライン授業の実施・推進が取り沙汰されています。とはいえテレワークよりもオンライン授業のほうが浸透しているようで、これを機会にデジタルデバイドは働き盛りの社会人よりも小学生のほうが断然優位にある……そんな状況になるかもしれません。

 

 

 

 

福田静(ふくだしずか)
大学卒業後、広告販促企画制作会社、編集制作企画会社、マーケティング会社にて、コピーライター、編集ライター、ディレクターとして従事。住宅、住宅関連設備、家電などの販促物の制作に企画段階から関与していました。「モノを売るためのベストな戦略とは?」に長年携わり、「難関な事柄をわかりやすく伝える」がモットーです。日々変化する現実において、必要不可欠なスキル「知識欲」も旺盛。取材経験も豊富です。よろしくおねがいします。

 

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